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“とりあえず公開”の最短ルート 無料ホスティング徹底比較

個人開発やポートフォリオ、ブログなど「とりあえず公開したい」ときに使える無料ホスティングサービスを徹底比較。Cloudflare Pages、GitHub Pages、Netlify、Vercelなど主要サービスの特徴と選び方を解説します。

2025-12-27
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個人開発やポートフォリオ、ブログなど「とりあえず公開したい」というシーンは意外と多いものです。でも「サーバー代を払うほどでもないし……」と躊躇してしまうこともありますよね。

実は、無料で使えるホスティングサービスは驚くほど充実しています。この記事では、2025年現在の主要な無料ホスティングサービス10選を徹底比較し、あなたのプロジェクトに最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。

​結論から言うと、迷ったら「Cloudflare Pages」か「Vercel」がおすすめです。​ どちらも無料枠が非常に寛大で、グローバルCDNによる高速配信、Git連携による自動デプロイなど、必要な機能が一通り揃っています。

無料ホスティングを選ぶ3つのポイント

まず、サービス選びで押さえておきたいポイントを整理しましょう。

1. 静的サイト vs 動的サイト

無料ホスティングの多くは​静的サイト(HTML/CSS/JS)​を対象としています。React、Next.js、Vue.jsなどのフレームワークで作ったSPA(シングルページアプリケーション)もこのカテゴリに含まれます。

一方、サーバーサイドレンダリング(SSR)やAPIエンドポイントが必要な場合は、​サーバーレス関数​に対応したサービスを選ぶ必要があります。

2. ビルド回数・帯域幅の制限

無料プランには必ず何らかの制限があります。特に注目すべきは以下の3つです。

  • ​ビルド回数​:月あたり何回デプロイできるか
  • ​帯域幅​:月あたり何GBまで転送できるか
  • ​ビルド時間​:1回のビルドに何分かけられるか

個人プロジェクトなら大抵問題になりませんが、チームで頻繁にデプロイする場合は要チェックです。

3. カスタムドメイン・SSL対応

独自ドメインを使いたい場合、無料でカスタムドメインとSSL証明書に対応しているかを確認しましょう。嬉しいことに、今回紹介するサービスはすべて​無料でカスタムドメイン+SSL​に対応しています。

無料ホスティング10選 早見表

まずは各サービスの特徴を一覧で確認しましょう。

​サービス名​​ビルド制限​​帯域幅​​Functions​​特徴​
Cloudflare Pages500回/月無制限帯域無制限が最大の魅力
Vercel100回/日100GB/月Next.jsと相性抜群
Netlify300クレジット/月100GB/月フォーム機能が便利
GitHub Pages10回/時100GB/月×GitHubユーザーなら設定不要
Render無制限100GB/月×(別途)静的サイト完全無料
Firebase Hosting無制限360MB/日×(Blaze要)Google連携が強力
Deno Deploy無制限100GB/月Denoランタイムネイティブ
Azure Static Web Apps無制限100GB/月Azure Functions統合
Google Cloud Run120分/日1GB/月コンテナベースの柔軟性
Surge無制限無制限×CLIから即座に公開

各サービスの詳細解説

Cloudflare Pages|帯域無制限の最強コスパ

​こんな人におすすめ​:トラフィックを気にせず公開したい人、グローバル配信したい人

Cloudflare Pagesは、CDNの巨人Cloudflareが提供する静的サイトホスティングです。最大の魅力は​帯域幅が無制限​という点。バズっても課金されない安心感があります。

​無料枠の主な制限​

  • ビルド回数:500回/月
  • 同時ビルド:1件
  • ファイル数:20,000ファイル
  • ファイルサイズ上限:25MB/ファイル

Cloudflare Workers(サーバーレス関数)との連携も可能で、APIエンドポイントの作成もできます。Workersは無料枠で10万リクエスト/日まで対応しています。

Vercel|Next.jsユーザーの第一選択

​こんな人におすすめ​:Next.jsを使っている人、モダンなフロントエンド開発をしている人

VercelはNext.jsの開発元が運営するホスティングサービス。Next.jsとの相性は言うまでもなく最高で、ISR(Incremental Static Regeneration)やEdge Functionsなど、最新機能をフル活用できます。

​無料枠(Hobby Plan)の主な制限​

  • デプロイ回数:100回/日
  • 帯域幅:100GB/月
  • ビルド時間:6,000分/月
  • Function実行:100万回/月
  • プロジェクト数:200件

注意点として、Hobby Planは​個人・非商用利用のみ​が許可されています。商用利用の場合はProプラン($20/月)へのアップグレードが必要です。

Netlify|フォーム機能とデプロイプレビューが便利

🔷 ​こんな人におすすめ​:お問い合わせフォームを簡単に実装したい人、チームでレビューしたい人

Netlifyは老舗のJamstackホスティングサービスです。特徴的なのは​フォーム送信機能​。HTMLに属性を追加するだけでフォームのバックエンドが自動生成されます。

​無料枠(Free Plan)の主な制限​

  • クレジット:300/月(デプロイ1回=15クレジット)
  • 帯域幅:100GB/月
  • ビルド時間:300分/月
  • フォーム送信:100件/月

2025年にプランが刷新され、クレジット制になりました。メンバー追加には有料プラン($9〜/月)が必要な点に注意してください。

GitHub Pages|GitHubユーザーなら設定ゼロ

🐙 ​こんな人におすすめ​:すでにGitHubでコード管理している人、ドキュメントサイトを公開したい人

GitHub Pagesは、GitHubリポジトリから直接静的サイトを公開できるサービスです。追加のアカウント作成やセットアップが不要で、最も手軽に始められます。

​無料枠の主な制限​

  • リポジトリ容量:1GB推奨
  • 帯域幅:100GB/月
  • ビルド回数:10回/時
  • ソフトリミット:サイトサイズ1GB

無料プラン(GitHub Free)では​パブリックリポジトリのみ​対応です。プライベートリポジトリからの公開にはGitHub Pro($4/月)以上が必要になります。

Render|静的サイトなら完全無料

🎨 ​こんな人におすすめ​:シンプルな静的サイトを無料で公開したい人

Renderは静的サイトを​完全無料​でホスティングできるサービスです。バックエンドサービス(Web Service、Database)も提供しており、フルスタック開発にも対応できます。

​無料枠の主な制限​

  • 帯域幅:100GB/月(ワークスペース全体で共有)
  • カスタムドメイン:Hobbyプランで2件まで
  • グローバルCDN配信

PRプレビュー、リダイレクト・リライト設定、カスタムヘッダーなど、必要な機能は一通り揃っています。

Firebase Hosting|Googleエコシステムとの統合

🔥 ​こんな人におすすめ​:Firebase AuthやFirestoreを使う予定がある人

Firebase HostingはGoogleのFirebaseプラットフォームの一部です。他のFirebaseサービス(Authentication、Firestore、Cloud Storageなど)との連携が容易なのが強みです。

​無料枠(Spark Plan)の主な制限​

  • ストレージ:10GB
  • 帯域幅:360MB/日(約10GB/月)
  • 複数サイト:同一プロジェクト内に可

帯域幅が他サービスより厳しめなので、高トラフィックが予想される場合はBlazeプラン(従量課金)への移行を検討しましょう。Cloud Functionsを使いたい場合もBlazeプランが必要です。

Deno Deploy|エッジで動くTypeScript

🦕 ​こんな人におすすめ​:Denoを使っている人、エッジコンピューティングに興味がある人

Deno DeployはDeno公式のエッジコンピューティングプラットフォームです。TypeScript/JavaScriptをエッジで直接実行でき、静的サイトのホスティングも可能です。

​無料枠の主な制限​

  • リクエスト数:100万回/月
  • 帯域幅:100GB/月
  • CPU時間:15時間/月
  • カスタムドメイン:50件

Deno KV(キーバリューストア)も無料枠に含まれており、ちょっとしたデータ永続化にも対応できます。

Azure Static Web Apps|エンタープライズ志向の選択

☁️ ​こんな人におすすめ​:Azure環境で開発している人、.NETバックエンドと連携したい人

MicrosoftのAzure Static Web Appsは、静的フロントエンドとAzure Functionsを統合したサービスです。GitHub/Azure DevOpsとのCI/CD連携が標準装備されています。

​無料枠(Free Plan)の主な制限​

  • 帯域幅:100GB/月
  • ストレージ:0.5GB
  • カスタムドメイン:2件
  • ステージング環境:3件

Azureアカウントが必要ですが、クレジットカード登録なしでも無料枠の利用が可能です。

Google Cloud Run|コンテナの柔軟性

🚀 ​こんな人におすすめ​:Dockerに慣れている人、より複雑なアプリケーションを動かしたい人

Google Cloud Runは厳密には「静的サイトホスティング」ではなく、コンテナベースのサーバーレスプラットフォームです。ただし、静的サイトをNginxコンテナで配信することも可能です。

​無料枠の主な制限​

  • CPU時間:240,000 vCPU秒/月
  • メモリ時間:450,000 GiB秒/月
  • リクエスト数:200万回/月(リクエストベース課金時)
  • 帯域幅:1GB/月(北米)

設定の自由度が高い反面、他のサービスと比べるとセットアップの手間はかかります。すでにGCPを使っている場合は検討の価値があります。

Surge|CLIから30秒で公開

​こんな人におすすめ​:とにかく早く公開したい人、シンプルな静的サイトを共有したい人

Surgeは「シンプルさ」に特化した静的サイトホスティングです。CLIからsurgeコマンドを実行するだけで、即座にサイトが公開されます。

npm install -g surge
surge ./dist

​無料枠の主な制限​

  • プロジェクト数:無制限
  • 帯域幅:無制限
  • カスタムドメイン:対応
  • SSL:対応

デプロイプレビューやGit連携などの高度な機能はありませんが、プロトタイプの共有やハッカソンなど「今すぐ見せたい」場面で重宝します。

目的別おすすめサービス

ケース1:個人ブログ・ポートフォリオ

​おすすめ:Cloudflare Pages / Vercel / Netlify​

トラフィックを気にせず運用したいなら​Cloudflare Pages​(帯域無制限)。Next.jsやNuxtを使うなら​Vercel​。フォーム機能が欲しいなら​Netlify​がベストです。

ケース2:ドキュメントサイト・OSSプロジェクト

​おすすめ:GitHub Pages / Cloudflare Pages​

GitHubリポジトリと連動させるなら​GitHub Pages​が最もシームレス。VitePressやDocusaurusなどのドキュメントジェネレーターとも相性抜群です。

ケース3:プロトタイプの素早い共有

​おすすめ:Surge / Vercel​

「今すぐ見せたい」なら​Surge​の即時デプロイが最速。​Vercel​もGitHubにプッシュするだけで自動デプロイされるので便利です。

ケース4:バックエンド機能も必要

​おすすめ:Vercel / Cloudflare Pages / Deno Deploy​

APIエンドポイントやサーバーサイド処理が必要なら、サーバーレス関数に対応したサービスを選びましょう。​Vercel​のAPI Routes、​Cloudflare Workers​​Deno Deploy​のエッジ関数がそれぞれ無料枠で利用できます。

まとめ:迷ったらこれを選ぼう

​最終結論​

  • ​汎用性重視​:Cloudflare Pages(帯域無制限+Workers連携)

  • ​Next.js使い​:Vercel(開発元の安心感+最新機能対応)

  • ​手軽さ重視​:GitHub Pages(アカウント不要で即デプロイ)

  • ​スピード重視​:Surge(コマンド一発で公開)

無料ホスティングサービスは、2025年現在かなり成熟しています。個人開発やサイドプロジェクトであれば、ほとんどのケースで無料枠内に収まるでしょう。

まずは気になるサービスで一つデプロイしてみて、使い勝手を確かめてみてください。どのサービスも数分でセットアップが完了しますし、移行も難しくありません。

​「とりあえず公開」のハードルは、思っているよりずっと低いのです。​

参考リンク